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在宅勤務でやる気が出ないときの対処

うつの治療から「卒業」して 1 ヶ月半,タイミング悪くコロナが猛威をふるっていて,そのせいか精神状態が悪化してしまい,主治医に助けを求めに行ってきた. 「家から出ないこと」が問題だと思っていたけど,実際は「在宅勤務への取り組み方」に問題があったようなので,ここに診察で学んだ内容をまとめておく. ここで紹介している内容は「僕」というひとりの患者に対して処方されたもので,特性が異なる大勢の人にはアンチパターンになりうるかもしれない.

困っていたこと

  1. 仕事が手につかない.仕事だけでなくプライベートでも意欲がだんだん低下していて,なにも手がつかない状態.
  2. 夜遅くまで「眠らない」.「眠れない」のではなくて,寝ようと思えば眠れるのだけれども,「今日も何もできなかったな」と思うと,だらだらと遅い時間まで起きてしまう.

先生と話しているうちに気づいたけれども,1 と 2 は根本では同じようなことを言っていて,要するに「テキパキ仕事をこなせない自分」を責めてしまって,その結果,意欲がなくなったり,睡眠を削ったりして,悪循環に陥っていた.

「場所」が人を動かす

まず言われたのは,在宅勤務で出社時と同じようなパフォーマンスを出すのは簡単ではないということ.先生は「場所が人を動かす」と言っていた. 出社して場所が変わるから気分も変わって仕事に集中できるのであって,寝食も仕事も同じ場所で過ごしていたらメリハリがなくなって当然だ. これはすでに広く知られていて,たとえば Google の 上手な「在宅勤務」のコツ という記事でも

仕事をする「場所」(と仕事をしない場所)を決める

ことが重要だと紹介されている. これは十分広い家に住んでいれば容易だけれども,僕のように 7 畳の防音の 1K に大量の本と楽器とその他財産すべてを押し込んでいるようなケースでは,どうしてもプライベートな空間で仕事をせざるを得ない.

場所にメリハリをつけられず,完全にプライベートな空間で仕事をせざるを得ないなら,パフォーマンスは落ちるのが自然だ.このことを先生は,「たとえば,小学生の時とか,学校の授業中はちゃんと集中できるけれども,家に帰って宿題をやりなさいと言われるとどうしてもやる気が起きなかったですよね,それと一緒です」と学校の宿題を例に出して説明してくれた.

「今日一日にこなすタスク」よりも「目の前の一時間にこなすタスク」を考える

この状態で「一日にこなすタスク」の計画をいくら綿密に練っても,結局「プライベートモード」から「仕事モード」に切り替えができなければ,なかなか仕事に手を付けられずに一日が終わってしまう.一日の終わりに,大量に積み残された ToDo リストが残る.それを繰り返していると,だんだんと自分の能力を疑うようになり,さらに仕事に取り組むのが難しくなる.しかも僕の特性上,「計画通りに正しい順序でものごとを進める」というのは最も苦手とすることの一つだ.これまで僕が出してきた成果は,いつも「計画」ではなく「強い衝動」から生まれていた.

このとき有効なのが,「時間のメリハリ」だという.勤務時間中ずっと仕事をしていないといけない,と思うととても続かない.一日にこなすべきタスクが複数あったとき,それが高い壁に見えてしまうのもいけない.そこで「一定の時間,ひとつのタスクにだけ集中する」という方法を教えてもらった. やり方としては,最初に取り組むタスクを 1 つだけ選ぶ.そして,たとえば「いまから 1 時間集中して取り組む」というふうに決めて取り掛かる.そしてそのあと休憩をちゃんととる. ここまではよく言われることなのだけど,休憩に対しての考え方が違う.休憩はめちゃくちゃ長くても良いみたいだ.やる気が出ないときなんかは 1 時間仕事したら 1 時間休憩をとっても良いし,そうでないときは 45 分やって 15 分休むとかでも良い.昼休みも,場合によっては 2 時間ぐらい休んでも良い.そのぐらいラクに考えるのが良いそうだ.「小学生の勉強の仕方を思い出してほしいんですが,この問題をやったらゲームを同じ時間やるとか,そういう感覚でやると良いと思います」とのこと.

このやり方で重視するのは,山のように積み上げられたタスクのうち何 % が完了したか,という全体の進捗ではなく,「集中してタスクをひとつこなした」という事実だ.これが 1 日に 1 個できるだけでも,「今日も何もできなかった」というネガティブな評価は消え去る.これが何回も積み重なれば,次第にこなせるタスクの量は増えていき,全体の進捗だったり計画を考慮に入れることも可能になると思う.

まとめ

ポイントをまとめると,

  • 100% のパフォーマンスが出せない自分を受け入れること
  • 「1時間だけ集中する」「1個だけタスクをこなす」ということを重要視する
  • 全体のタスク量を気にしすぎない
  • 休憩は無理に短くしなくても良い

という感じになる.信頼できるお医者さんが言うことなので,信じて実践してみようと思う.

あと大事だと思ったのは,精神科や心療内科はおかしいと気づいたらその日のうちに行くこと.信頼できる医師を見つけておくこと.体の病気も放置すれば悪化するけど,心の病気はもっと怖くて,周囲にわかるぐらい悪化してしまったら本当に大変だ.どれだけ早く軌道修正できるかが大事だ.今回は軽いうちに行ったので,お守りとして弱い薬が数回分だけ出たけれども,大部分はアドバイスをもらって解決した.